本講義ノートについて
本講義ノートではコマ撮り(1920×1280)のためPremiereの使い方を解説する。
一般的なビデオ編集の方法は、Adobe公式サイトの「ビデオ編集テクニックの基本」等を含むPremiere Proチュートリアルに詳しく解説されているので、そちらで習得することができる。
本講義ノートではコマ撮り(1920×1280)のためPremiereの使い方を解説する。
一般的なビデオ編集の方法は、Adobe公式サイトの「ビデオ編集テクニックの基本」等を含むPremiere Proチュートリアルに詳しく解説されているので、そちらで習得することができる。
Adobe Premiereに限らず、PCでの映像編集では多数のファイルを扱う。データの種類や撮影日時などでフォルダ分けして管理することで、データの紛失を防ぎ、効率的な映像編集を行うことができる。下図は一例なので、自分がわかりやすい構成や名前にするとよい。
当日の作業終了後、データをバックアップする際には、上図フォルダごとUSBメモリー等にコピーする。作業再開時には、USBメモリー等から上図フォルダをデスクトップ上に再度コピーしてから編集を行う。HD画質以上の映像編集の場合、USBメモリーから直接プロジェクトを開いて編集するとデータアクセスが遅いために効率的に編集できない。
EOS Kiss X7iの右側面のカバーを開いてSDカードを取り外し、iMacにつながっているカードリーダーのSDカードスロットに差す。
※カードリーダーからSDカードを取り外す時は、必ずデスクトップ上のアイコンを右クリックして「・・・を取り外す」を選択し、SDカードアイコンが消えてからカードリーダーのSDカードを抜くこと。
EOS_DIGITAL>DCIM>100CANONの中のJPGファイルが撮影したデータ。前もって作成している写真用フォルダの中にドラック&ドロップしてコピーする。
DockからPremiereを起動する。
スタートウィンドウの新規プロジェクトを選択する。
新規プロジェクトダイヤログの保存場所を指定する。下図の参照ボタンをクリック。
前持って作成している映像編集フォルダを選択する。
続いて、プロジェクト名を入力して、OKボタンを押す。
空のワークスペース(編集)が表示される。
ファイルメニュー>新規>シーケンスを選択。
新規シーケンスダイヤログでは、設定タブの編集モードをカスタムにした上で、フレームサイズを横1920縦1280を入力し、OKボタンを押す。
シーケンスが作成され、空のタイムラインが表示される。
ここでは新規にシーケンスを作成したが、素材を空のタイムラインにドラック&ドロップすることで、自動的に素材フォーマットに合ったシーケンスを作成する方法もある。
プロジェクトパネルに素材を読み込むには、2つの方法がある。
ファイルメニュー>読み込み(Cmd+I)
もしくは、プロジェクトパネルの空きスペース部分をダブルクリックする。空きスペースがない場合は、前述の方法で行う。
読み込みダイヤログ(下図)で、目的のファイルを選択して読み込みボタンを押す。ドラッグして複数選択可能。Cmd+A(全選択)やSHIFT+クリック(部分選択)も利用できる。
プロジェクトパネルにクリップが読み込まれる。
プロジェクトパネル左下のボタン or スライダーで表示切替することができる。クリップが動画の場合、アイコン表示にマウスオーバーのスクラブにより内容を確認できる。
プロジェクトパネルでは、ビンと呼ばれるフォルダのような機能を追加することができる。ただし、ビンはFinder上のフォルダとは連動しない。
プロジェクトパネル右下の新規ビンをクリックして作成する。
ビンにクリップをドラック&ドロップして下図のように整理することができる。
プロジェクトパネルのクリップをタイムラインのV1トラック上にドラック&ドロップする。
複数のクリップを選択するときは、マウスドラッグで領域選択するか、SHIFTキーやOPTIONキーを押しながら選択する。
本演習ではソースモニターは利用しない。ビデオ編集時にソースモニターを使ってIN点、OUT点を設定しタイムラインへ挿入する場合は、トラックインジケーターを適切に設定しておく必要がある。ドラックアンドドロップによる操作ではビデオトラックではトラックインジケーターを無視してドラックできる。
適宜、タイムラインやトラックのスケールを調整しながら編集を行う。
下図のように右側のスライダーの端をドラッグするか、トラック名の領域にマウスオーバーしてSHIFT+マウススクロールでスケールできる。
下図のようにトラックの境をドラッグするか、トラック名の領域にマウスオーバーした状態でマウススクロールでスケールできる。
タイムラインの再生/停止はスペースキーを押す。下図の時間インジケータ上のクリップがプログラムウィンドウに表示される。停止時に時間インジケータをドラッグすることで、再生位置を移動できる。
映像のタイムコードでは1/30秒=1フレームを用いる。
NTSCカラー放送では30fps(ノンドロップフレーム)ではなく、29.97fps(ドロップフレーム)のためタイムコードにずれが生じる。(ドロップフレームとノンドロップフレームの違いについて)
単体のクリップはクリックで選択する。
複数クリップの場合は空いているトラック上からドラッグして領域選択する。
クリップをドラック&ドロップで移動する。Premiereではオーバーレイ編集を基本とするため、クリップの上にクリップを重ねると下のクリップが削除されるので注意。
2つのクリップの場所を入れ替える場合は、異なるトラックにクリップを退避するなどして行う(下図)。
クリップ端をドラッグすることでイン点とアウト点を変更できる。静止画の場合はデュレーション(持続時間)の変更。
レーザーツールを用いて分割したい箇所でクリックする。
クリップ間の空白はクリップを移動させることでも削除できるが、空白部分を選択後に右クリックしてリップル削除することもできる。
クリップをCommandキーを押しながらドラック&ドロップすると、インサート編集モードでの移動が可能。クリップの上にクリップを重ねても下のクリップは後ろに押し出される。
クリップ上で右クリックし、コンテクストメニュー(下図)の速度・デュレーションを選択。複数クリップのデュレーションも一括で変更可能。
下図の青いタイムコードをクリックして変更。複数クリップを選択した場合は、空白を削除するために下図の「変更後に後続のクリップをシフト」にチェックを入れる。
コマ撮りアニメーションのフレームレートの計算方法
1秒30フレームのため、コマ撮りアニメーションのフレームレートと静止画クリップのデュレーション(持続時間)の関係は以下のようになる。
1コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:30フレーム
2コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:15フレーム
3コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:10フレーム
6コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:5フレーム
10コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:3フレーム
15コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:2フレーム
30コマ/秒 静止画クリップのデュレーション:1フレーム ※TVのフレームレートと同じ
商業アニメーションのフレームレートは、日本のアニメーションでは10コマ/秒、ディズニーのアニメーションは12コマ/秒らしい。CGが多用されるようになってからは違うかも。
1秒当たりのコマ数が多いほど映像は滑らかになるが、撮影枚数は膨大になる。
フレームレート(fps)× 時間(秒) = 枚数
30fps 10秒の映像 300枚
10fps 10秒の映像 100枚
5fps 10秒の映像 50枚
2fps 10秒の映像 20枚
※コマ/秒、フレームレート、fpsは全て同じ意味
プロジェクトパネルに静止画を読み込んだ時点で、静止画クリップのデュレーションは5秒に自動設定される。このデフォルトデュレーションを変更したい場合は、Premiere Pro CCメニュー>環境設定>一般ダイヤログの下図部分を変更する。
クリップの表示状態が下図の場合は、クリップを選択した上でエフェクトコントロールパネルで行う。
不透明度のキーフレームを追加して、フェードイン/アウトを設定できる。
トラックの高さを大きくすることで、クリップキーフレームからフェードイン/アウトの設定を行うことができる。キーフレームの追加はトラック名の下に表示されるボタン(下図)から行う。
初めてキーフレームを設定する場合はキーフレーム追加ボタンが無効になっているので、クリップを右クリックして表示されるコンテクストメニューからクリップキーフレームを表示>不透明度>不透明度(下図)を選択する。キーフレームは不透明度の他にモーションやタイムリマップにも適用できる。
キーフレームは一つのクリップ内にしか設定できないため、本演習のコマ撮りのように複数クリップにまたがるフェードイン/アウトを設定する場合は、カラーマットorブラックビデオを上のトラックに配置した上で、カラーマットorブラックビデオに対して逆のキーアニメーションを設定する。
カラーマットorブラックビデオは、プロジェクトパネルの新規ボタン等から作成する。
下図のように上のトラックにあるブラックビデオをフェードアウトした場合、下のトラックにある映像がフェードインする。
音声データ(オーディオクリップ)も画像やビデオと同様にプロジェクトパネルに読み込まれる。
プロジェクトパネルでフォーマット(ステレオ、モノラル、5.1Ch)を確認できる。CS5ではモノラル音声はモノラルトラックにしか配置できなかったが、CCでは標準トラックにステレオ音声、モノラル音声の両方を配置することが可能になった。
オーディオトラックでもビデオトラック同様、フェードイン/アウトのキーフレームアニメーションを作成できる。オーディオトラックでは元のレベルを0dbとして真ん中の高さに表示される。エフェクトコントロールパネルでも可能。
音は再生されるのにオーディオクリップが見えない場合は、トラックを上下スクロールして確認する。
BGMや効果音を利用したい場合は、ウェブ上で「フリー 効果音」などで検索すると著作権フリーの音源が見つかる。Flashkitでも、効果音やループ音源が多数掲載されている。
シーケンスパネルを選択した状態で、ファイル>書き出し>メディアを選択。
書き出し設定ダイヤログが表示される。
ソース範囲:シーケンスイン-アウト間の設定
シーケンスパネル上でイン点もアウト点とも未設定の場合は、シーケンスに配置された全てのクリップの最初と最後がイン点アウト点として認識される。編集タイムライン上で不必要な箇所がある場合は、シーケンスパネルでイン点とアウト点を設定する。
書き出し形式:H.264の設定
動画圧縮形式ではH.265が最新だが、まだ再生できるプレーヤーが限られているので、普及率の高いH.264(MPEG4)を選択する。
出力名の変更と保存場所の設定
出力名をクリックする。
下図ダイヤログで、ファイル名の変更(チームアルファベット+チーム名)、保存場所を変更して保存ボタンを押す。
全ての設定が完了したら、書き出しボタンを押す。
素材の数等によってエンコード(書き出し)には時間を要する。
エンコード後、デスクトップ上にMP4ファイルが完成していることを確認。
提出方法は授業内で指示する。