Sculptris基礎

Digital Sculptingとは ?

Digital Sculptingは、Sculpt Modelingや3D Sculptingとも呼ばれ、3DCGのモデリング手法の一つ。日本ではデジタルスカルプトとも呼ばれる。push、pull、smooth、grab、pich等の操作で粘土のように造形させていくことができる。Sculptの意味は、英語動詞の「彫刻する」。

ポリゴンモデリングや曲面モデリングに比べ、直感的なモデリングが可能なためクリーチャーなどの有機的なものの表現に使われることが多い。Digital Sculpting SoftwareであるZBrushは「Avatar」「Lord of the Rings」「Pirates of the Caribbean」等の映画で使われており、Digital Sculptingが映画制作でも重要なモデリング手法の一つとなっていることがわかる。

引用元:
http://www.zbrushcentral.com/showthread.php?79195-Avatar
http://www.pixologic.com/interview/archive/ilm-pirates/

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Digital Sculpting Software

デジタルスカルプトツールはいくつか存在する。モデリング機能だけでなく、3Dペインティング機能を持つものも多い。中でも、映画などでの使用実績が多いZBrush(下図)が有名。MayaCinema 4DBlenderのように、統合型3DCGソフトウェアにもスカルプト機能を持つものがある。タブレット端末用のアプリも販売されており、iPad用アプリforgerでは、マルチタッチによる直感的操作が可能。

下映像のように、ペン型インターフェースに力覚フィードバックを行い、CG物体の存在を感じながらモデリングが可能なシステム(Geomagic Touch XGeomagic Freeform)もある。彫刻家の名和晃平氏はこのツールを使用して制作した作品を多数発表している。デジタルスカルプトツールが、CG映像のモデリングのためだけでなく、実体の造形表現にも利用されはじめている。

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Sculptrisとは?

Sculptrisは、ZBrushの販売元であるPixologic社が配布しているフリーソフトウェア(Mac、Win)。もともとはTomas Pettersson氏が個人で開発して配布していたが、Tomas氏がPixologic社に入社したため、現在ではPixologic社から配布されている。ZBrushと比べて機能は少ないが、洗練されたインターフェースが初心者にもわかりやすく、粘土を扱うように3Dモデルを作成でき、3Dペイントも行うことができる。

ダウンロード方法:
本家Sculptrisサイトからもダウンロードできるが、OakCorp.netのSculptrisの日本語公式ページからもダウンロード可能。アプリケーションは英語のみ。

日本語マニュアル:
http://oakcorp.net/zbrush/sculptris/features/の一番下からダウンロード可能。

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制作の流れ

Sculptirsでは「スカルプトモード」と「ペイントモード」に分けて作業を行う。
一度ペイントモードへ切り替えるとスカルプトモードに戻すことはできない。

 

① スカルプトモードでのモデリング(デジタルスカルプト)

Sculptrisに慣れていけばわかるが、いつも球体から造形をしていかなくても、例えば顔であればベースとなるモデルを用意してから造形に取りかかったほうが効率的だ。Sculptrisにはそのためのモデルがインストールしたフォルダに用意されている(下図)。

 

② ペイントモードでの3Dペインティング

 

③ 他の3Dソフトへのデータ出力/2D画像書き出し

Sculptrisは3DCG制作におけるモデリングとマテリアルの作成のみに特化したアプリケーション。静止画の書き出しは可能だが、アニメーションを作成するためには別途統合型3DCGアプリケーションを利用する必要がある。下図は、Blenderに読み込んだもの。

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ユーザ・インターフェース

スカルプトモード

 

ペイントモード

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マウス操作ほか

一般的なマウスの場合

 

マジックマウスの場合

 

座標軸の表示 Pキー

インターフェースの表示/非表示の切替 TABキー

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スカルプトブラシ

Sculptirsには、スカルプトブラシと呼ばれる9つのツールが用意されている。全てのブラシは、ワークスペースの拡大縮小と連動しながら、オブジェクトに対して相対的にスケールされる。

スカルプトブラシのテクニックはYouTube映像などで確認するとわかりやすい。

GRAB 引っ張る / オブジェクトの移動


GRABはオブジェクトの形を大きく変える時に利用する。
Limit ONではポリゴン分割を制限した変形。Global ONではオブジェクトの移動。

 

DRAW 丸ブラシ


丸く盛り上げる or 盛り下げる。

 

INFLATE 膨張ブラシ


もちを焼いてふくらんだようになる。DRAWより強い効果。

 

FLATTEN 平らブラシ


DRAWやINLATEで盛り上げたものを平らにする。
Lock plane OFFでブラシの傾きがオブジェクトに合わせて自動回転。Lock plane ONでブラシの傾きがストローク開始時に固定。Angle falloffは角丸め。

CREASE 溝ブラシ


溝や突起を作る。唇を作るのに使える。Invertを使うと便利。

 

PINCH つまみブラシ


先をとがらせる。溝を細くする。形状の縁をはっきりさせる。

 

SMOOTH スムースブラシ


ディティールをぼかす。

 

SCALE スケール


ブラシ範囲を拡大・ 縮小する。

 

ROTATE 回転


ブラシ範囲内を曲げる。

 

各ブラシのパラメータは、Brush Controls(下図)で設定できる。

Invert:ブラシ効果の反転(OPTIONキーで一時反転 or Xキーで常時反転)
Size:ブラシサイズ
Strength:ブラシの影響の強さ
Detail:ポリゴンの細分化率
Airbrush:ボタンを押している間、連続的に効果を適用(Airbrush文字をクリック)
Lazy:効果がワンテンポ遅れる(Lazy文字をクリック)

これらの内、SizeとStrengthとDetailに関しては、SPACEキーを押して表示されるTool Setting Interfaceでも調整できる。

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その他のツール

ワイヤーフレーム表示


WIREFRAME(Wキー)を押すことで、ワイヤーフレームを表示することができる。
ワイヤーフレーム表示では、ポリゴンを確認することができる。

スカルプトツールを使うと自動的にポリゴンが増加していく。ポリゴンが多くなりすぎるとコンピュータの動きが鈍くなり最悪フリーズする。3DCGではポリゴンが多くならないように注意してモデリングを行う必要がある。ワイヤーフレームを表示させてSculptrisがどのようにポリゴンを形成していくかを確認しながら使っていくとわかりやすい。ポリゴン数はワークスペース左下に表示されている。


REDUCE SELECTED 選択オブジェクトのポリゴン削減


ボタンを押す毎に、選択されたオブジェクトのポリゴンを減少させることができる。あまり減らしすぎると形状にも影響するので注意。


REDUCE BRUSH


REDUCE BRUSHはREDUCE SELECTEDのブラシバージョン。一部のポリゴンを減少させることができる。

 

SUBDIVIDE ALL


ポリゴンの分割。マスクと合わせて一部のポリゴンを分割することもできる。

SYMMETRY


対称編集から非対称編集への切替。デフォルトでON。

 

NEW SPHERE


球体を新規に作成 or  追加できる。Sculptrisでは、複数のオブジェクトを組み合わせて制作することもできる。やり直す場合は新規作成。NEW PLANEも同様。

複数のオブジェクトが存在する場合は、左クリックで特定のオブジェクトを選択。
CTL+ALLで全てのオブジェクトの選択。CTL+Dで全ての選択解除。

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マテリアル(質感設定)

SculptrisではMATERIAL(下図)から質感を簡単に変更することが可能。Sculptirsのマテリアルは、テクスチャマッピングの手法の一つである環境マッピングの技術を利用している。環境マッピングは鏡面反射や屈折を擬似的に実現する手法である。

スカルプトモードからペイントモードへ進んだ場合は、マテリアルを再設定する必要がある。ペイントモードでは透明画像とマテリアルが同時に設定されているので、特定の色でFillを使って塗りつぶす必要がある。

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ファイルの保存

Sculptrisの編集データを保存するには、以下の2つを注意する。

必ず!英語パス上に英語ファイル名で保存する。
フォルダ階層中に日本語が入っていてもダメ!Sculptrisがフリーズして作成データが消える!

「デスクトップ」は、システムでは英語のDesktopで解釈されているので、保存しても問題ない。

スカルプトモードの編集ファイルとペイントモードの編集ファイルを分けて保存する。

スカルプトモードからペイントモードの編集ファイルは開けるが、ペイントの情報は消えるので最初からペイントし直すことになる。(UVマップを破棄するということ)

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バックグラウンド画像の設定

OPTION > BACKGROUNDから背景画像を設定できる。
画像の書き出しと組み合わせれば、簡単なイメージ画像を作成可能。
スカルプトモード、ペイントモードとも同様。

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画像の書き出し

OPTION > SAVE IMAGEから画像(PNG形式)を書き出すことができる。
スカルプトモード、ペイントモードとも同様。

※必ず!英語パス上で英語ファイル名で保存すること。フォルダ階層中に日本語が入っていてもダメ!Sculptrisがフリーズして作成データが消える!

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ペイントモード

ペイントモードに入る前に、スカルプトモードで編集ファイルを保存しておくこと。スカルプトモードからペイントモードの編集ファイルは開けるが、自動的にペイントモードに入るためスカルプトモードにはもどれない。

 

上図のPAINTボタンを押し、下図ダイヤログで必要に応じてResolutionを変更してOKボタンを押す。Resolution(テクスチャ解像度)は256~2048まで変更できるが、デフォルトの512以上が推奨値。

UVマップテクスチャ(2D画像)が作成され、スカルプトモードで作成されたオブジェクトに貼られた状態となる。ペイントモードでは、UVマップテクスチャに3D空間上でペイントを行う。

ペイントモードでは、スカルプトモードで設定していたマテリアルは光の質感(陰影情報)のみ残して色情報が消去される。

UVマップの確認はTキー。

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3Dペインティング

ペイントモードに入った時点ではマテリアルには色情報がなく、陰影情報のみが設定されている。UVマップは透明であることを示すチェック柄が表示されているが、これをテクスチャとして書き出した場合や画像ファイルに書き出した場合も透明情報としてでなくチェック柄の画像データとして反映されてしまうので、描画をはじめる前に下色として全体を塗りつぶす必要がある。(他に方法があるかもしれないが、今現在わかっている方法)

 

ベース色で塗りつぶす Fill

例)描画色を白にしてFillボタンを押す。※FIllにはStrengthが反映されるので、StrengthをMaxにしておく。

塗りつぶした後も、マテリアルを変更して陰影情報のみを入れ替えることができる。(下図はベース全て白色)

 

ペイント PAINT COLOR


PAINT COLORツールで描画する。
必要に応じてPAINT CONTROLS(下図)で調整を行う。
2つの描画色を設定できる。OPTION or   Xキーで切替ながら描画する。
スカルプトモードと同様、スペースキーでヘルパーを表示できる。

Size:ブラシの大きさ
Strength:ブラシの透明度
Hardness:ブラシの周囲のぼけ具合
描画色の設定:ブラシカラーアイコンをクリックして設定
Invert:描画色の切替(OPTIONキーで一時反転 or Xキーで常時反転)
Airbrush:ボタンを押している間、連続的に効果を適用(Airbrush文字をクリック)
Lazy:効果がワンテンポ遅れる(Lazy文字をクリック)

(その他の機能)
スポイト:Cキー
ワイヤーフレームの表示:WIREFRAMEキー
非対称編集へ切替:SYMMETRYキー ※一度切り替えるともとにもどせない

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SculptrisからBlenderへデータ渡し(参考)

Sculptrisから3Dオブジェクトデータとテクスチャデータの書き出し

①OBJデータの保存(ペイントモード)
※ファイル名は半角英数、保存先は英語パス上にする

②UVマップデータの保存(ペイントモード)
Show advanced tools > SAVE TEXMAP
※ファイル名は半角英数、保存先は英語パス上にする

 

Blenderで読み込み

①OBJデータの読み込み
File > Import > Wavefront ( .obj )
開いた時に複数選択状態(オブジェクトの縁が赤)になるので、右クリックして単独で選択する。

②UVマップデータを割り当てる
Propaties EditorのTexture TabからUVマップデータを読み込む。

Mapping設定
・Image Mapping: Clip
・Mapping > Coordinates: UV
・Mapping > Projection: Flat

プレビューする場合は、Sun Lightを追加した上でViewport ShadingをRenderedにする。

③Sculptrisのマテリアルを割り当てる場合
マテリアルデータはSculptrisのインストールフォルダにある。

Mapping設定
・Image Mapping: Clip
・Mapping > Coordinates: Reflection
・Mapping > Projection: Flat

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