Photogrammetry入門

Photogrammetryとは

フォトグラメトリは様々な方向から撮影した写真を元に3Dモデルを生成する技術。技術的な歴史は古いが、フォトグラメトリソフトウェアやPCの性能向上によって、デジタル一眼レフや個人のスマートフォンで撮影したものでもハイクオリティな3Dモデルを生成できるようになったことで注目されている。フィギュアレベルの小型なものから建築レベルの大型ものまでスキャン可能であり、様々な分野へ広がりを見せている。

3Dスキャニング(デジタイズ)には、スタジオ内に設置された多数のカメラやセンサーによるシステムを利用する方法があるが、スキャニング対象をスタジオに持ち込む必要があるため、大きさの制限や専門性の高さから一般に利用できるものではなかった。一方、フォトグラメトリーではカメラさえあれば3Dスキャニングを行うことが可能なため、一般でも利用者が広がっている。また、洞窟や遺跡といった過酷な環境でもカメラだけであれば機材としての負担も少なく、ドローンを使って撮影を行えば、これまで不可能であった建築物や都市空間レベルの巨大なものも3Dモデル化することができる。

Rocca Calascio – RAWscan
by Spogna
on Sketchfab

写真測量法(Photogrammetry)の歴史

写真測量法=Photogrammetryは、写真画像から対象物の幾何学特性を得る手法であり、歴史的には地形測量技術として発展してきた。ある地点の位置や地点間の距離を測定することは、人間の経済活動の根幹を支える基盤技術であり、その歴史は古代エジプトのピラミッド建設まで遡る。写真測量の歴史も古く写真技術の登場と同じ19世紀に遡る。航空写真から地図を作成する技術は軍事目的としても重要視されていた。その後、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning Satellite)測量、衛星写真等や地図を統合したGoogle Mapが登場するなど、地球規模の測量システムは進化し続けている。ここで紹介している物体の三次元形状を測定するスキャニング技術として位置付けられているPhotogrammetryは地形の測量技術の進化形の一つである。

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Photogrammetryを使ったVR作品例

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SketchFabから見える増加する高品質な事例

Sketchfabは様々な3Dデータを共有、公開できるウェブサイト。有償販売も可能。ダウンロードして自身のプロジェクトに利用するだけでなく、VRのHMDからSketchfabウェブサイトにアクセスしてVR空間上で3Dオブジェクトを確認することも可能。高品質なフォトグラメトリー事例も増加している。既存のゼロから作成するモデリングがフォトグラメトリーで置き換わりつつある。

https://sketchfab.com/

 

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Photogrammetryソフトウェア

フォトグラメトリーソフトウェアには様々な種類が存在する。ここでは一部を紹介する。下記URLでフォトグラメトリーソフトウェアの機能比較を確認できる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_photogrammetry_software

 

Agisoft Metashape

Agisoft社が開発、販売するフォトグラメトリーソフトウェア。Professional EditionとStandard Editionが存在し、それぞれEducationalバージョンは半額。Windows、Mac、Linux環境に対応。

本講義ノートで利用。日本の代理店は株式会社オーク。オークのサイトでは日本語で使い方やテクニック等、詳細な情報が得られる。https://oakcorp.net/agisoft/

 

3DF Zephyr

3DF Flow社が開発、販売するWindows用のフォトグラメトリーソフトウェア。Free、Lite、Pro、Aerialの4バージョンが存在する。Freeバージョンは機能限定版とはいえ最大50枚の写真を解析できる。Liteの体験版とFreeバージョンは異なるので注意。

3DF Zephyr Freeバージョンのページ https://www.3dflow.net/3df-zephyr-free/

 

RealityCapture

名前が混乱しやすいがCapturingReality社のフォトグラメトリーソフトRealityCapture。解析精度の評判は高いが、他と比較して高価である。PGM、ENT、CLIでは月額/年額サブスクリプションや永久ライセンス、処理点数に応じた支払いを行うPPIサービスのようにユーザの利用状況に対応できる選択肢が準備されている。

https://www.capturingreality.com

 

Autodesk ReCap Pro

Autodesk社が開発、販売するWindows用のフォトグラメトリーソフトウェア。学生・教職員はAutodeskアカウントを作成してアカデミック版(無料)を利用できる。

https://www.autodesk.co.jp/products/recap/overview

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Metashapeのインストールと起動

①インストーラのダウンロード

以下のリンクからMacバージョン(2019年7月現在はMetashape Standard 1.5.3)をダウンロードする。

 

②インストール作業

ダウンロードしたdmgファイルをダブルクリックする。

ライセンスの承認画面でAgree(同意)する。Agisoft Metashape Standard 1.5.3ドライブがマウントされる。

1107では学生のMacは管理上Applicationフォルダにアクセスできないので、デスクトップ上のすでに作成したAppsフォルダにMetashape.app(下図)をドラック&ドロップで入れて使用する。

 

③30日間の体験版で起動

「Start a free 30-day trial」を選択してOKボタンを押す。

※demo modeでは書き出しができない。

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作業① 写真撮影

撮影対象 自由(持参した小型なもの、人物、空間、風景等)

※1107教室は狭いので外で撮影してもかまわない。他の授業の邪魔にならないよう注意すること。

 

撮影方法

  • 50枚以上撮影する。最低限の枚数であり、多く撮影すれば精度が上がる。
  • 対象物を中心に周囲を移動しながら撮影する。
    対象物を回転させる場合は背景画像のマスキング処理が必要。
  • 隣り合う写真とは60%以上重なっている必要がある。
  • 写らない部分がないように撮影する。
  • 撮影に不向きなものがある。https://oakcorp.net/agisoft/faq/(総合Q&A>どんなものでもスキャンできるのでしょうか)

※iPhoneの注意点。iOS11以降、撮影した写真は高圧縮率のHEICフォーマットで保存される。フォトグラメトリーソフトウェアではHEICに対応していないので、設定>カメラ>フォーマット>互換性優先(jpeg保存)に変更すること。

 

小型サイズ(机上)

 

小型サイズ(宙吊り)

 

人物サイズ

 

空間

 

(参考URL)

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作業② PCへの取り込み

iPhoneの場合

専用USBケーブルを使用してiMacと接続。写真.appを利用して取り込む。

 

Androidの場合

Android File Transfer(https://www.android.com/filetransfer/)をダンロードして利用する。

SDカードが使える場合は、SDカードを介して取り込むことも可能。ただし、iMacのSDカードスロットはスタンダードサイズなので注意。

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作業③ メッシュとテクスチャの生成と出力(Metashape)

①Metashapeへ写真の読み込む

Chunk(=塊)に写真データをドラック&ドロップする。

 

②写真のアライメント(写真の位置と方向の解析、低密度点群の生成)

Workflowメニュー>Align Photos

※処理する領域(バウンディングボックス)の設定

 

③高密度点群の生成

Workflowメニュー>Build Dense Cloud

 

④メッシュ(3D形状データ)の生成

Workflowメニュー>Build Mesh

 

⑤テクスチャの生成

Workflowメニュー>Build Texture

 

⑥テクスチャ付メッシュデータの出力

デモモードのMetashapeでは出力できないので、体験版としてアクティベートしてから行う。

Fileメニュー>Export>Export Model(テクスチャも同時に出力できる)

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作業④ 出力データの提出

出力したデータ(obj,mtl,jpg)をフォルダ(学籍番号+名前)にまとめてサーバーReportにアップする。

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3DCGソフトBlenderでの読み込みと表示

Blenderの基本的な使い方はこちらから。

執筆中

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Stylyへのアップロード(Styly Web Editor or Unity)

執筆中

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